月が空一面を照らしていた
雲一つなかったと思う
月の光が 部屋に差し入って辺りが見える程の明るさだった
電気はつけないまま
わたしは ずっと満月を見ていた
悲しみを感じる間もないくらい
坦々と あっけなく
話は進んでいった
あの最後の電話の時
どうして あらがわなかったんだろうと
今更思う
これまでの伝えきれなかった気持ち
まだ、誤解があるかもしれないこと
自分はこのままでは嫌だ
このまますれ違ったまま 別れるのは嫌だ
何もかもに
そっと ふたをして
何がどうなってきて
今どうなっているか
そういうことよりも
あなたの意思を
ただ
尊重し
受け入れたかった
あなたは
とても優しい人だから
もう苦しめたくなかった