母から譲り受けた 横長の茶色いカバン
使いすぎて すれている
どこのブランドでもないカバン
とても大切に使っていた
あなたはそのカバンを見て
「新しいの買ったげよか」と言った
私はあなたの気持ちを知らずに断った
今ならわかる
私は「古いから買い換えたら」の意味だと決めつけていた
あなたは「古いから買ってあげよう」と思ったかもしれない
ひどい独りよがりだ
あの人の気持ちも知らずに 何てことをしてしまったんだ
自分はこのカバンを大切にしていることを伝え
あなたの言動の理由を聞けばよかった
藍色の海と青い空 白い雲がゆらめく