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引き出しに眠る手紙
手紙をそっと開けば
少し丸みを帯びたやわらかな文字が並んでいる
この手紙に書かれしことは これからの羅針盤だった
2人の人生の船出
わたしは ピカピカの海図に買い替えた
喜びはつかの間
予想だにしなかった出来事が 容赦なく襲いかかる
状況の急転
ぐるぐる回転し続ける 壊れた羅針盤
引き裂かれた 真新しい海図
あれから、時計の針は何度回っただろうか
八重の潮風が そよそよ囁く
2人でよく行った海に、手紙と海図を流してくるよ
あなたが惜しみなくくれた 数多のぬくもりは
生涯忘れることはない
ありがとう
ありがとう
叶わなかった 2人の航海よ
今、海へ
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