車窓ノスタルジー -train window nostalgia
ぐんぐん通り過ぎていく
車窓に現れては遠ざかる街並み
よく車で通った大通り
風をきって走ったサイクリングロードのある河川敷
あぁ、あのスーパーもよく行ったな
2度と行くことはない街を
電車は 容赦なく通り過ぎてゆく
2人で住もうと決めた、あの家は
まだあるのかな
「僕はあっちがよかったのに、君がこの家がいいって言ったから
こっちにしたんだろ!!」
穏やかな性格で 声を荒立てることなんてなかった
あなたの語気に 驚いたあの日
全ては懐かしく
なのに 未だに胸のどこかに執拗にこびりつく
あなたと共に巡った春夏秋冬は
もう 遥か彼方なのに
2度と行くことのない街を
記憶からなくしたくない街を あなたを
電車は素知らぬ顔で ぐんぐん通り過ぎていく