夜の緩和治療  -Palliative treatment at night

わたしは夜が好きだ

夜は 少しだけ

わたしの存在を 許してくれるように思えた

多くの人が活動している時間帯は

一日の中でもとりわけ わが命の存在に苛まれ続ける

寝床で一日中横になっているわたし

誰の役にも立たないわたし

何の有用性も生産性もないわたし

あるのは 病気だけ

ただそれだけ

頭は軋み 全身を絞めつける

真っ赤オレンジすごい夕焼け 8月慶野松原帰り 車から撮影
昼と夜の間 夕焼け空 懸命に語りかけてくるような見事な色彩

夜も 苦しみは変わらないけれど

ほんの少し 

寝床の外の世界に近づけるような気がする 

生きていることを 少しだけ許されるような気がする

そんな夜が好きだ