菜の花の空き地はもうない  -There are no more vacant land of rape blossoms

てくてく急ぎ足

久しぶりに通った道の角を曲がると

目の前にトラックが止まった

重機も入っている

奥にはコンクリートの大きな塊

家が建つのだろうか

いつかの春の日 元気をもらいたくて

心にしっくりくる花を 探して歩きまわった

視界にぱあっと 菜の花色の揺れる空き地

咲きこぼれる 菜の花色に満ちる空き地

廃棄されたブロックでゴツゴツしたその空き地は

エノコログサや菜の花たちでいっぱいだった

可憐な花の根元は 廃棄物に対応すべく

ぐにゃぐにゃに曲がりくねり

カサカサに枯れた葉が 茎にうなだれていた

大変だっただろう えらいなあ 

すごい命だ

菜の花やエノコログサ、タンポポ、、みんなに

またねって言ったのに

ゴツゴツしたブロックの隙間を縫って生えて花開く

力強さを敬慕していたのに

もう会えない

もうあなた達はいない

菜の花、枯れたエノコログサ コンクリートから生える空き地
みんな捨てられてしまったんだろう とても切ない思いに駆られる