無常の香り  ーThe scent of impermanence

紫に色を染め始める シャリンバイの緑の実
薄灰の足元に橙を落とす ノウゼンカズラの花一輪

切なくも美しい瞬間に
きっちり、フィルムに 焼きつけども 焼きつけども
残る歯がゆさ 

とてもかなわない ここにある風情には

何をどうしても

夏は秋へ向かって旅を進める 着々と

時の歩みは止まらない
全ては留まらない 花も宇宙も人のこころも

染み入るは 無常の香り
移ろうものが運びくるもの

夕焼け色の入道雲、発達した雲 圧倒される 須磨海岸から撮影
8月終わり夕方に染まる雲に圧倒される 刻刻と移りゆく