横たわったまま
迎えてしまった春分の日
幻の中を行くような鬱々とした時間
鏡花水月のように 手にとることができない世界
生きている、という実感から いつも程遠くポツリ
時折、外の世界にふれる
清々しい空気は 家の中とはまるで違う
道端の花が いじらしく花びらを揺らし
季節を教えてくれる
嗚呼 わたしは今、命があるのだ
生き生きとした実感がもたらされる
掴めない時間がどんどん流れゆく
虚しい時間がどんどん流れてゆく
命とは 一体何なのだろう
思いは色濃くなり
わたしを深い闇へ突き落とす
雪柳が蕾から花へ変わっていく 他の植物も春に向かっていた