触れてはいけないもの  -What should not be touched

1度きりでなく
何度も繰り返される出来事は

偶然性を失う

心の整理がつかなくて手放そうとした本を
触ることも憚られて
そのまま、何年もそのままにしていた

いつしか忘れ去られた 
何となく覚えのある記憶に気にも留めず

再び始まる勘違い

また同じような場所で 思い切り転んで落ちた

記憶が引っ張られてくる

初め、自分がどうしてあんな気持ちになったのか
ようやく思い出した

そうだ
これは触れてはならなかったものだった